月極駐車場経営でよくある失敗5選＆その回避方法

コラム

2024.09.20

月極駐車場経営は、土地活用の1つとして非常に魅力的です。安定した収入が得られる可能性がある一方で、初期投資が少なく、管理がシンプルなため、他の不動産運用と比べて手間がかかりにくい点も人気です。しかし、簡単に思える一方で、適切な計画と対策がなければ失敗してしまうこともあります。ここでは、月極駐車場経営でよくある5つの失敗例を取り上げ、それぞれの失敗を避けるためのポイントを詳しく解説していきます。

1. 立地の選定の失敗！　需要が少ない場所での運営

立地の選定は、駐車場ビジネスにおいて最も重要な要素の一つです。しかし、多くの駐車場オーナーが需要調査を十分に行わず、土地のコストや利便性にのみ目を向けてしまうことがあります。結果として、需要が十分に見込めない場所で駐車場を運営することになり、収益を得るどころか赤字が続くケースがあります。

＜立地調査の重要性と失敗しやすいポイント＞
駐車場の立地の選定では、周辺の交通量や駐車場需要の分析が欠かせません。主要な商業エリアや公共交通機関のアクセスが良い場所では、需要が期待できます。一方で、住宅街や交通の便が悪い場所では、なかなか満車にならず、いつまでも初期投資の回収ができない場合があります。よくある失敗は、土地代が安いからといって需要の低い地域に駐車場を開設することです。土地が安い場合は、なぜ安いのかをしっかりと確認し、そのエリアでの駐車需要を調査することが必要です。

＜需要予測を誤らないためにはどうする？＞
需要予測が難しい理由は、近隣の駐車場状況、都市開発計画、季節による需要の変動など、多くの要因が絡むからです。例えば、開発計画が進んでいない地域に投資した結果、周辺に大規模な無料駐車場ができたり、商業施設の撤退によって駐車場の需要が急減することがあります。こうした事態を避けるためにも、地元の不動産業者に相談したり、市区町村のHPなどで情報を集めたりすることも重要です。

2. 駐車場設備への投資　投資しすぎ＆投資しなさすぎ！

駐車場経営において、設備への投資も重要です。しかし、過度な設備投資や逆に設備投資を怠ることが失敗の原因になることがあります。特に、初期費用の設定は慎重に行わなければなりません。市場需要とコストのバランスをとることが大切です。

＜ 投資しすぎ！　高額な設備投資とコスト回収リスク ＞
一部の駐車場オーナーは、防犯カメラやセキュリティゲートなど、セキュリティ設備にこだわったり、ガレージであれば電源などの設備に多額の資金を投入しがちです。もちろん、ハイセキュリティの駐車場や設備が充実したガレージの需要が高いエリアであれば問題ありませんが、そうでないエリアで、過剰な設備投資をしてしまうとリターンが見合わないことが多く、経営を圧迫します。例えば、高価なゲートシステムや監視カメラを導入しても、周辺エリアの犯罪率が低い場合、それほど価値を生まないことがあります。また、設備が充実するほど賃料も高くなる傾向にあるため、賃料重視の利用者からは利用を避けられる可能性があります。

＜ 投資しなさすぎ！　安いだけではダメという現実 ＞
一方で、投資が少な過ぎる場合も問題です。整備費用を抑える未舗装でも貸し出すことは可能ですが、小石が跳ねて車体を傷つけるから多少賃料が高くてもアスファルト舗装が良い、雨が降ったときに水たまりができて駐車しにくいので舗装した駐車場を借りたい、という利用者は多いです。
また、治安の面で不安がある地域では、照明がない・仮に照明があっても暗すぎる駐車場は、利用者の満足度が下がる可能性があります。その地域に合った適切な設備がない駐車場は、犯罪の温床となる可能性があります。利用者が安全性に不安を感じると、空きスペースが目立つようになりますので、過剰な設備投資を避けつつも、最低限の品質を保つために、必要な部分には適度な投資を行い、管理コストも含めた長期的な視点での計画が重要です。

3.セキュリティや清掃が不十分・・管理体制の不備

駐車場は、運営がシンプルに見える一方で、管理体制の不備が利用者の満足度に大きく影響します。セキュリティや清掃が不十分な場合、利用者からの信頼を失い、収益にも影響します。

＜駐車場における基本的な管理の重要性＞
清潔で安全な駐車場は、利用者にとって大きな魅力です。放置されたゴミや荒れた環境、壊れた設備は、利用を避けられる原因となります。

＜管理費用を抑えつつ品質を保つ方法＞
コストを抑えたいからといって、最低限の管理を怠ることは危険です。定期的な清掃や点検は、長期的に見れば大きなトラブルを防ぐための有効な手段です。白線が薄くなって区画の境があいまいになれば、隣の区画にはみ出して駐車してしまうなど、利用者同士のトラブルが発生する恐れがあります。
また、台風や地震などの災害時には、フェンスが曲がる・ブロック塀にヒビが入って危険な状態になる可能性もあります。これらは、日頃から定期的な清掃や点検を行うことで防げたり、被害を最小限に抑えることができます。コスト削減と品質維持のバランスを考えながら、管理体制を整えることが重要です。

4. 契約や賃料設定の失敗

月極駐車場経営で収益を最大化するためには、適切な賃料設定が必要です。しかし、契約条件や賃料設定を誤ると、利用者は近隣の駐車場へ流れ、競争力を失い、なかなか満車になりません。

＜適切な賃料設定のための市場調査＞
周辺の駐車場と比較して賃料が高すぎると、利用者は他の駐車場を選んでしまいます。逆に賃料が低すぎると、利益率が低くなり、経営が成り立たなくなります。適切な賃料設定のためには、市場調査を徹底的に行うことが重要です。周辺の駐車場の賃料を確認し、そのエリアの平均価格を参考にしながら、自社のサービスや設備に見合った賃料を設定することが成功のカギです。

＜契約条件で見落としがちなポイント＞
また、契約条件も重要です。長期契約を推奨することで安定収益を確保できる一方で、利用者にとって柔軟な契約条件を提供することも競争力を高める手段です。例えば、短期契約をOKにしたり、契約開始月や解約月の賃料を日割りにしたりするなど契約条件を柔軟にすることで、利用者のニーズに合わせたサービスを提供できます。

5. 利用者が決まらない・・・集客力不足かも？

どんなに便利な立地や設備を整えても、広告や集客活動が不十分では、そこに月極駐車場があることを知ってもらうチャンスがありません。駐車場現地に看板を立てることも有効ですが、このご時世、インターネットやアプリで駐車場を探す利用者が急増しています。つまり、ネットの世界に駐車場情報を掲載することは、利用者を募集するうえで必要不可欠です。多くの駐車場オーナーは、集客にコストをかけることを避けがちですが、月極駐車場の検索サイトは複数あり、無料で駐車場情報を掲載してくれるサイトも多いです。ぜひ、気になるサイトに問い合わせしてみることをおすすめします。

＜効果的な集客方法と宣伝の工夫＞
集客を成功させるためには、ターゲット層に適した方法でアプローチする必要があります。前述のように、月極駐車場の検索サイトへ掲載することも1つの方法ですが、その他にもネット広告を配信したり、チラシを配る・商店街の掲示板へポスターを掲示するなど紙媒体の広告を活用する方法もあります。
どのような宣伝が効果的かは、地域によってもことなりますので、ご自身の駐車場に適した方法を選択することが満車への近道です。

まとめ　月極駐車場経営で失敗しないためのポイント

月極駐車場経営は、一見シンプルに見えるものの、適切な計画や管理がなければ失敗するリスクがあります。立地の選定や設備投資、管理体制、賃料設定、集客活動など、各要素をバランスよく見直し、成功に導くための戦略をしっかりと練ることが必要です。これらの失敗を避けるためには、市場調査を行い、適切な投資と管理を徹底することが重要です。

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