
不動産工房は “滞納保証付き”!督促からの開放
駐車場管理
2024.01.24
COLUMN
2025.09.20
駐車場経営で得た収入は、年度末に確定申告が必要になります。ただし「どの所得区分にあてはまるのか」「どんな経費を計上できるのか」「具体的にどう申告すればよいのか」といった点で悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、確定申告が必要となるケースから具体的な申告手順まで、2025年度の最新情報をもとに詳しく解説します。正しい知識を身につけて、安心して駐車場経営を続けていきましょう。
駐車場経営で得た所得について、そもそも確定申告が必要なのか疑問に思われる方も多いでしょう。確定申告は、所得状況と駐車場経営による年間所得額によって決まります。
所得税は以下の計算式で算出されます。
ここで重要なポイントは「所得=収入ではない」ということです。
所得は「収入から必要経費を差し引いた金額」を指します。駐車場経営の場合、毎月の駐車場収入から土地の固定資産税や設備のメンテナンス費、管理委託費などの必要経費を引いた金額が所得となり、これが課税対象となります。
たとえば、年間の駐車場収入が100万円あっても、固定資産税や管理費などの必要経費が30万円かかった場合、所得は70万円となります。このように、適切に経費を計上することで課税対象となる所得を抑えることができます。
また、税率と控除額は以下のとおりです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
出典:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」
出典:国税庁「所得税の税率」
会社員など副業として駐車場経営を行う場合、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です。
ただし、重要な注意点として、所得税の確定申告が不要でも、住民税については市区町村への申告が必要な場合があります。住民税は所得税とは別の税制度であり、20万円以下の所得でも申告義務が生じることがあるため、住まいの市区町村に確認してください。
出典:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」
駐車場経営で確定申告が必要となる具体的なケースは、以下のとおりです。
会社員の場合(給与所得者) | ・給与以外の所得(駐車場経営含む)が年間20万円を超える・年収が2,000万円を超える(所得額に関係なく申告必要) |
個人事業主の場合(給与所得がない方) | ・年間の事業所得が95万円を超える(基礎控除を考慮するため)・ほかの所得控除(配偶者控除、社会保険料控除など)を差し引いても納税額が生じる |
【具体例:47歳会社員Aさんの場合】
年収500万円の会社員Aさんが、空き地で月極駐車場を運営している場合を考えてみましょう。
駐車場収入:月5万円×12か月=60万円
必要経費:固定資産税15万円、管理費10万円、その他5万円=30万円
所得:60万円-30万円=30万円
この場合、駐車場経営による所得が20万円を超えているため、確定申告が必要となります。
出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm)
出典:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm)
出典:国税庁「確定申告が必要な方」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2023/01/1_06.htm)
駐車場経営の所得がどの区分に該当するかは、確定申告方法や控除額に大きく影響するため、正しく判定する必要があります。駐車場経営に関わる所得区分は主に「不動産所得」「事業所得」「雑所得」の3つです。
不動産所得は、土地や建物の貸し付けによって得られる所得で、駐車場経営では最も一般的な所得区分です。
【不動産所得に該当する条件】
不動産所得の場合、青色申告を選択でき、事業的規模と認められれば最大65万円の特別控除を受けることができます。駐車場経営では、おおむね50台以上の駐車スペースを持つ場合に事業的規模と判定される傾向があります。
出典:国税庁「事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm)
出典:国税庁「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm)
出典:国税庁「事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm)
事業所得は、継続的かつ反復的に行われる事業から生じる所得を指します。
【事業所得に該当する条件】
国税庁の判断基準では「自己の責任において他人の物を保管する場合」の所得は事業所得または雑所得に該当するとされており、車の管理責任を土地所有者が負っている場合は事業所得の可能性が高くなります。
事業所得の場合、青色申告による最大65万円の特別控除や、赤字の3年間繰越控除などの税制優遇を受けることができます。
出典:国税庁「法第26条《不動産所得》関係」(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/04/02.htm)
出典:国税庁「青色申告特別控除」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm)
出典:国税庁「青色申告制度」
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm)
雑所得は、不動産所得や事業所得に該当しない所得を指します。
【雑所得に該当する条件】
雑所得に分類されると青色申告を選択できず、特別控除や赤字の繰越控除も受けられないため、税制面でのメリットが少なくなってしまいます。
出典:国税庁「雑所得」
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm)
出典:国税庁「事業所得の課税のしくみ(事業所得)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm)
駐車場経営の確定申告では、青色申告を選択することで大幅な節税効果を得ることができます。青色申告と白色申告の違いを理解し、最適な申告方法を選択しましょう。
青色申告は、複式簿記による正確な記帳を条件として、特別控除をはじめとする税制優遇を受けられる申告制度です。
【青色申告のメリット】
たとえば、年間所得が100万円の場合、65万円の特別控除を受けることで課税対象所得を35万円まで抑えることができ、大幅な節税効果を得られます。
出典:国税庁「青色申告制度」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm)
白色申告は、青色申告承認申請書を提出していない場合に自動的に適用される申告方法です。
【白色申告の特徴】
記帳の手間は青色申告より少ないものの、2014年以降は白色申告でも帳簿の作成・保存義務があるため、税制メリットを考慮すると青色申告を選択する方がおすすめです。
出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm)
出典:国税庁「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2080.htm)
駐車場経営を継続的に行う場合は、青色申告を選択することをおすすめします。
青色申告(65万円控除)を選ぶべきケース | 年間所得が65万円以上見込まれる長期的に駐車場経営を継続予定節税効果を最大化したい |
白色申告でも十分なケース | 年間所得が比較的少ない(65万円未満)複式簿記の記帳が難しい |
現在は会計ソフトの普及により複式簿記での記帳も簡単になっているため、年間所得が65万円を超える可能性がある場合は65万円控除の青色申告を選択しましょう。
駐車場経営では、適切に経費を計上することで課税所得を抑え、節税効果を高めることができます。経費として認められる費用を漏れなく計上しましょう。
駐車場開設時にかかる以下の費用は、取得費として経費計上できます。
【土地関連費用】
【設備関連費用】
ただし、10万円を超える設備については一括で経費計上できず、減価償却により複数年にわたって経費化する必要があります。
駐車場の日常的な運営にかかる以下の費用は、その年の経費として計上できます。
【税金・保険関連】
【管理・メンテナンス関連】
【その他の費用】
駐車場経営を終了する際にかかる以下の費用も経費として計上できます。
【原状回復費用】
【契約終了関連費用】
これらの費用についても、適切に領収書を保管し、駐車場経営に関連する費用であることを明確にしておくことが重要です。
こちらの記事では、駐車場経営における経費について解説しています。
計上できない費用も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
適切な確定申告を行うため、経費として計上できない費用についても正しく理解しておきましょう。誤って経費計上してしまうと、税務調査で指摘される可能性があります。
土地の購入にかかる仲介手数料は土地の取得費用の一部とみなされ、直接の経費としては計上できません。
一方で、賃貸契約の仲介手数料(駐車場用地を借りる場合や、利用者との契約における仲介手数料)は経費として計上可能です。
出典:国税庁「賃貸用の土地建物を購入した際に支払った仲介手数料の取扱いについて」(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/31.htm?utm_source=chatgpt.com)
土地自体は減価償却の対象とならないため、購入費用は経費として計上できません。土地は資産として計上され、売却時に原価として扱われます。ただし、土地購入のための借入金利息は経費として計上可能です。
土地売買時に売主と買主の間で精算される固定資産税・都市計画税の清算金は、購入者にとっては土地の取得費用の一部とみなされ、経費計上はできません。
なお、購入後に納税義務者として納付する固定資産税・都市計画税は経費として計上できますが、売買時の清算金とは区別して処理する必要があります。
出典:国税庁「賃貸用アパートを購入した際に支払った固定資産税及び都市計画税相当額の清算金の取扱いについて」(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/29.htm)
駐車場経営の確定申告は、以下の4つのステップで進めることができます。初めて申告する方でも安心して手続きを進められるよう、各ステップの詳細を解説します。
まず、確定申告に必要な書類を準備しましょう。年末年始にかけて整理しておくと、申告時期に慌てることなく手続きを進められます。
【収入関係書類】
【経費関係書類】
【本人確認書類等】
【青色申告の場合の追加書類】
出典:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/syotoku/r06.htm)
準備した書類をもとに、確定申告書と付属書類を作成します。
【使用する申告書】
【所得区分別の付属書類】
【作成時のポイント】
出典:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/syotoku/r06.htm)
2025年分の確定申告期限は、2026年3月16日(月)です。期限内に必ず申告を完了させましょう。
【提出方法】
【e-Tax申告のメリット】
出典:国税庁「申告と納税」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/06_1.htm)
出典:国税庁「申告書の提出」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/06.htm)
確定申告により所得税が発生した場合は、期限内に納税を行います。
【納税期限】
【納税方法】
口座振替を利用すると、振替日が約1か月延長される(令和8年4月中旬~下旬頃)ため、資金繰りの面でメリットがあります。
出典:国税庁「税金の納付」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/10.htm)
確定申告を怠った場合、思わぬ税務上のペナルティを受ける可能性があります。適切な期限内申告の重要性を理解し、リスクを回避しましょう。
確定申告期限内に申告を行わなかった場合、本来の税額に加えて無申告加算税が課されます。
【無申告加算税の税率】
【具体例:年間所得200万円のケース】
47歳会社員のBさんが駐車場経営で年間所得200万円を得たにも関わらず、確定申告を怠ったケースを考えてみましょう。
適切に期限内申告していれば20万円で済んだものが、3万円も余計に支払うことになってしまいます。
出典:国税庁「確定申告を忘れたとき」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm)
納税期限までに税金を納めなかった場合、延滞税が発生します。
【延滞税の税率(2025年)】
無申告加算税と延滞税は併せて課されるため、申告・納税を怠った場合の経済的負担は非常に大きくなります。
【その他のリスク】
これらのリスクを避けるため、確定申告は必ず期限内に行うよう心がけましょう。
出典:国税庁「延滞税について」
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm)
出典:国税庁「無申告事案における重加算税の賦課要件」(https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/64/03/index.htm)
駐車場経営の確定申告は、適切な知識と準備があれば決して難しいものではありません。給与所得以外の所得が20万円を超える会社員の方は確定申告が必要となり、所得区分を正しく判定し、青色申告を選択することで大幅な節税効果を得ることができます。
しかし、確定申告の手続きや経費管理、所得区分の判定など、専門的な知識が必要な部分も少なくありません。そこで、駐車場経営をより効率的かつ安心して行いたい方には、専門業者への管理委託をおすすめします。
月極マネジメントどっとこむでは、月極駐車場の管理・サブリースを中心に、お客様の土地活用を全面的にサポートいたします。プロによる管理委託を活用することで、確定申告の手間を軽減し、経費管理を効率化できるだけでなく、安定した賃料収入を確保することができます。
駐車場経営でお悩みの方、確定申告の負担を軽減したい方は、ぜひ月極マネジメントどっとこむまでお気軽にご相談ください。
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