【駐車場運営イメージは?】駐車場運営に興味がある51%が「安定して収益を上げられそう」と回答
駐車場経営
2025.09.01
COLUMN
2026.05.05

相続した土地や解体後の更地を駐車場として活用しようと考える方は少なくありません。2025年のアンケート調査では、土地活用の理由として64%が「放置がもったいない」と回答しており、活用方法では駐車場経営が34%を占めています。
しかし「駐車場にすると固定資産税が高くなる」という不安の声もあります。
本記事では、更地を駐車場にした場合の固定資産税の仕組みから、具体的なシミュレーションや節税方法までを詳しく解説します。
2025年に実施した独自アンケートの調査によると、土地や空き家をどのように活用したいかという質問に対し「駐車場経営」が34%、そして「賃貸住宅・アパート経営」が36%で、ほぼ同程度の人気を集めています。
土地活用の選択肢として賃貸住宅・アパート経営と並んで人気の駐車場経営ですが、実は両者では固定資産税の税額が大きく異なります。これを知らずに駐車場経営を始めると、想定外の出費が生じたり、収益計画が狂ったりしかねません。
では、具体的に駐車場用地にかかる固定資産税はどういう仕組みになっているのか、制度の概要から見ていきましょう。
アンケート引用元:相続した土地、75%が「活用したい」!3人に1人が検討する「駐車場経営」その理由は?
固定資産税は、土地や家屋などの固定資産を所有している方に課される地方税です。毎年1月1日時点で固定資産を所有している方が納税義務者となり、市町村(東京23区では東京都)に納めます。
固定資産税の計算式は、次のとおりです。
固定資産税額 = 課税標準額 × 税率(標準税率1.4%)
課税標準額は、固定資産税評価額をもとに算出されます。固定資産税評価額は、総務大臣が定めた評価基準にもとづき、市町村が決定します。土地の評価額は、地価公示価格の70%程度が目安となります。
標準税率は1.4%ですが、市町村によっては異なる税率が設定されている場合もあります。そのため、実際に算出する際は、該当する市区町村の税率を事前に確認しておくことが大切です。
出典:総務省「固定資産税」
都市計画税は、市街化区域内に所在する土地や家屋に対して課される税金です。固定資産税とあわせて納付することになります。都市計画事業や土地区画整理事業の費用に充てられる目的税で、すべての自治体が課税しているわけではありません。
都市計画税の計算式は、次のとおりです。
都市計画税額 = 課税標準額 × 税率(制限税率0.3%)
制限税率は0.3%が上限とされていますが、実際の税率は市町村によって異なります。また、都市計画税は市街化区域内にある土地のみが対象となるため、市街化調整区域や都市計画区域外の土地には課税されません。
ご自身の土地が課税対象かどうかは、自治体の固定資産税課にご確認ください。
出典:総務省「都市計画税」
更地の固定資産税が高くなる最大の理由は「住宅用地の特例」が適用されないためです。
住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地に対して、固定資産税の課税標準額を大幅に軽減する制度です。具体的には、次のように軽減されます。
たとえば、評価額3,000万円で面積200㎡以下の土地に住宅が建っている場合、課税標準額は3,000万円×1/6=500万円となり、固定資産税は7万円です。
しかし、同じ土地が更地になると住宅用地の特例が外れるため、課税標準額は評価額の70%程度(負担調整措置後)の2,100万円となり、固定資産税は29.4万円に跳ね上がります。
よく「住宅を解体すると固定資産税が6倍になる」といわれますが、実際には負担調整措置により、税額は3〜4.2倍程度の増加にとどまるケースが一般的です。
前章では、更地の固定資産税が高くなる理由として、住宅用地の特例が適用されないことを説明しました。では、更地を駐車場として活用した場合、固定資産税はどうなるのでしょうか。
結論として、駐車場用地は原則として「更地」と同じ扱いとなり、住宅用地の特例は適用されません。
駐車場にアスファルト舗装を施したり、ラインを引いたり、照明を設置したりしても、その土地に居住用の建物が建っていなければ、税制上は更地として扱われます。
つまり、更地のまま放置している場合と駐車場として活用している場合で、土地の固定資産税額に違いはないということです。
ただし、駐車場経営には収入が発生するため、固定資産税を駐車場収入でまかなうことができます。更地のまま税金だけを払い続けるよりも、駐車場として活用したほうが経済的には有利といえるでしょう。
なお、駐車場経営には「個人経営方式」「管理委託方式」「一括借り上げ方式(サブリース)」など、複数の経営方式がありますが、どの方式を選んでも土地の固定資産税の課税評価は変わりません。
注意したいのは、駐車場設備(アスファルト舗装、照明、フェンス、精算機など)には別途「償却資産税」がかかる可能性がある点です。償却資産税については、後ほど詳しく解説します。
それでは、具体的な数値を使って、更地を駐車場にした場合の固定資産税額をシミュレーションしてみましょう。
固定資産税評価額が3,000万円の土地を、駐車場として活用するケースを考えてみましょう。ここでは、負担調整措置により、課税標準額が評価額の70%になる場合を想定します。
まず、固定資産税と都市計画税は次のように計算されます。
この場合、固定資産税と都市計画税を合わせた年間の税負担は、約35.7万円です。では、この土地を駐車場として10台分整備し、1台あたり月額1万円で貸し出した場合の収支を見てみます。
更地のまま保有して税金だけを払い続ける場合と比べると、稼働率80%でも年間約96万円の収支改善が期待できます。
次に、同じ評価額3,000万円、面積200㎡以下の土地に住宅を建てた場合を比較してみましょう。
住宅用地の特例が適用されると、課税標準額は次のようになります。
都市計画税も同様に軽減されます(1/3に軽減)。
住宅を建てた場合の土地の税負担は、年間約8.5万円です。
駐車場にした場合の35.7万円と比較すると、約4.2倍の差があることがわかります。ただし、住宅を建てる場合は建物自体の固定資産税も別途発生するため、総合的な判断が必要です。
駐車場用地の固定資産税は更地扱いとなるため、税負担が大きくなりがちですが、工夫次第で軽減することができます。
ここでは、具体的な節税方法を紹介します。
駐車場を住宅用地の一部として認めてもらうことができれば、住宅用地の特例を受けられる可能性があります。
具体的には、次のような方法があります。
たとえば、200㎡の土地に自宅が建っている場合、その敷地内に設けた駐車スペースは住宅用地の一部として扱われます。
また、自宅に隣接する別の筆(登記上は別の土地)の土地を駐車場にする場合でも、自宅の庭や駐車場として一体利用していれば、住宅用地として認められる可能性があります。
ただし、住宅用地として認められるかどうかは自治体の判断によるため、事前に確認が必要です。
駐車場設備(アスファルト舗装、照明、フェンス、精算機など)には、固定資産税の一種である「償却資産税」がかかります。
償却資産税は、設備の取得費用の合計が150万円以上の場合に課税されます。つまり、設備費用を150万円未満に抑えれば、償却資産税を回避できます。
費用を抑えるには、次のような工夫が考えられます。
ただし、駐車場の利便性や安全性を損なわないよう、バランスを考えることが大切です。なお、駐車場運営会社に一括借り上げ(サブリース)で委託する場合、設備の所有者は運営会社となるため、償却資産税は運営会社が負担します。
オーナーは償却資産税を支払う必要がありません。
取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については「一括償却資産」として3年間で均等に償却することができます。
一括償却資産として処理することで、償却資産税の課税対象から除外されるというメリットがあります。
たとえば、駐車場の照明設備を15万円で取得した場合、一括償却資産として処理すれば、償却資産税の申告対象外となります。
一部の自治体では、駐車場を緑化することで固定資産税の軽減措置を受けられる制度があります。
たとえば、横浜市では、一定基準以上の緑化を行った場合、固定資産税や都市計画税が軽減される制度があります。また、東京都では特別緑地保全地区に指定された土地について、固定資産税の軽減措置が適用されます。
ただし、これらの制度は全国共通ではなく、自治体によって内容が異なります。お住まいの自治体でどのような制度があるか、事前に確認してみるとよいでしょう。
出典:横浜市「基準以上の緑化に対する固定資産税等の軽減措置のご案内」
更地を駐車場にした場合、土地の固定資産税は更地扱いとなり、住宅用地の特例は適用されません。住宅を解体すると税負担が3〜4.2倍程度増加しますが、駐車場収入で税金をまかなえるため、更地のまま放置するよりも有利です。
駐車場を住宅用地と一体化させる、設備費用を150万円未満に抑える、緑化するなどで税負担を軽減することができます。
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