【駐車場運営イメージは?】駐車場運営に興味がある51%が「安定して収益を上げられそう」と回答
駐車場経営
2025.09.01
COLUMN
2026.07.15
マンションの駐車場に空き区画が増え、管理費や修繕積立金の財源不足に悩む管理組合は少なくありません。空き区画を放置すると駐車場使用料が減少し、将来の大規模修繕に必要な資金を確保しにくくなるおそれがあります。
こうした課題への解決策のひとつが「外部貸し」です。空き区画を居住者以外に貸し出せば、新たな収益源を確保できます。一方で、税金の扱いや管理規約の変更など、導入前に確認すべき点もあります。
この記事では、外部貸しの基本的な仕組みや導入時の課題、税務上の扱い、円滑に運用するための実践的なポイントを順を追って解説します。

マンションの駐車場で空き区画が増え、対応に困っている管理組合の方は少なくありません。
株式会社NEXERと株式会社不動産工房が共同で2026年4月に実施したアンケート調査では、駐車場運営の経験がある方のうち62.5%が「困ったことがある」と回答しており、困りごとのひとつとして「空き」が挙げられています。
駐車場の空き区画は、多くのマンションで起こり得る現実的な課題です。まずは空きが発生する背景と放置するリスクを整理したうえで、解決策として注目される外部貸しの仕組みを確認していきましょう。
アンケート引用元:【土地活用に関する調査】駐車場運営の経験者の半数が「安定収入目的」でスタート!始めたきっかけと運営中の悩みとは?
マンションの駐車場に空きが生じる原因は、大きく社会的背景と物理的な要因に分けられます。
社会的背景としては、若い世代を中心とした車離れや、居住者の高齢化が挙げられます。免許を持たない住民や、加齢を理由に運転をやめる住民が増えると、駐車場の利用希望者は減少します。
周辺に月極駐車場やコインパーキングが増えたことも、マンション内の駐車場利用率が下がる要因のひとつです。
物理的な要因としては、区画の広さと車両サイズのミスマッチが挙げられます。マンションの建設当時と比べて、ミニバンやSUVなどの大型車が普及しています。
そのため、既存の区画では駐車しにくく、車体に傷がつきそうで不安だと感じて、マンション外の駐車場を選ぶ住民もいます。
とくに築年数が経過したマンションや、駅から近く車がなくても生活しやすいエリアでは、空き区画が発生しやすい傾向があります。
空き区画が増えると、管理組合の財政に直接影響します。駐車場使用料は管理費や修繕積立金の重要な財源となっているケースが多く、収入が減少すれば、将来の大規模修繕に必要な資金が不足するリスクが高まります。
積立金が不足した場合は、区分所有者から一時金を徴収したり、修繕積立金を値上げしたりする必要が生じることがあります。住民の負担が増えるため、管理組合と住民の間でトラブルに発展する可能性もあります。
また、空き区画が目立つと、マンション全体の管理状態に不安を抱かせることがあります。入居希望者や購入検討者にネガティブな印象を与えるおそれもあるため、駐車場の空きは財務面だけでなく、マンションの資産価値にも関わる問題です。
外部貸しとは、マンションの空き駐車区画を居住者以外の方に貸し出し、収益を得る方法です。居住者の利用希望を優先したうえで残った区画を活用すれば、住民の利便性を損なわずに収入を確保できます。
外部貸しの方法は、大きく2つに分けられます。
外部貸しには、収益を確保するだけでなく、無断駐車を抑制する効果も期待できます。契約者が継続的に区画を利用することで、見知らぬ車が長時間駐車するリスクを抑えやすくなります。
外部貸しは、空き区画を有効活用するための有力な手段です。
一方で、導入にあたってはセキュリティや利用者とのトラブル、管理規約の見直しなど、事前に検討すべき課題があります。
想定されるリスクと対策をあらかじめ整理しておくことで、導入後の運用をスムーズに進めやすくなります。
外部貸しを検討する際、住民から「見知らぬ人がマンション内に出入りするのではないか」と不安の声が上がることがあります。こうした懸念はもっともですが、外部貸しの形態によってリスクの大きさは異なります。
不特定多数が出入りするコインパーキングとは異なり、月極契約による外部貸しでは、利用者の身元確認を契約条件に設定できます。運転免許証や車検証の提出を求めることで、契約者以外の車両による利用を防ぎやすくなり、外部利用者と不審者を区別しやすくなります。
あわせて、防犯カメラの増設や定期巡回、外部利用区画の明示といった対策も有効です。住民説明会では、利用者の確認方法やトラブル発生時の対応窓口を具体的に共有しましょう。対策の内容を明確にすることで、住民の不安や反対意見を抑えやすくなります。
外部貸しを始めると、指定外の区画への無断駐車や、契約終了後も駐車を続けるといったトラブルが発生する可能性があります。こうした事態を未然に防ぐには、利用ルールと違反時の対応手順をあらかじめ定めておくことが重要です。
具体的には、区画番号を明示した看板の設置、利用規約の書面による周知、トラブル発生時の連絡先や対応フローの整備などが考えられます。月極契約の場合は、契約書に違約条項を盛り込み、違反時の対応根拠を明確にしておくと安心です。
また、居住者から駐車場の使用希望があった場合に、外部利用者へ一定期間内の明け渡しを求める条件を設けることも大切です。この条件設定は、居住者の利便性を守るだけでなく、後述する税務上の判定にも関わります。
こちらの記事では、駐車場管理のトラブルについて解説しています。
各駐車場形態のトラブルとその対策や効率的な管理方法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
分譲マンションで外部貸しを始める場合は、管理規約や使用細則の変更が必要となるケースが多くあります。現在の規約が外部への貸し出しを想定していない場合は、まず規約の内容を確認し、必要に応じて改正の手続きを進めなければなりません。
管理規約の変更には、原則として区分所有者数および議決権のそれぞれ4分の3以上の賛成が必要です。この決議要件が導入のハードルとなることもあります。
一方で、マンション標準管理規約の改正により、所在等が不明な区分所有者への対応を含め、合意形成を進めやすくするための見直しも行われています。
まずは、現在の管理規約と使用細則を確認し、外部貸しを禁止または制限する条項がないかをチェックしましょう。変更が必要な場合は、外部貸しの必要性や安全対策、居住者を優先する仕組みを丁寧に説明し、理解を得ながら合意形成を進めることが重要です。
出典:国土交通省「区分所有法改正に伴いマンション標準管理規約も改正されました」
外部貸しを検討する際に、確認しておきたいのが税金の扱いです。「外部に貸し出すと税金はかかるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。
結論からいえば、外部貸しを行ったからといって、一律に課税されるわけではありません。外部貸しの方法や契約条件によって、課税される範囲は異なります。
国税庁は2012年2月に、この点に関する見解を示しており、大きく3つのパターンに整理されています。
税務上のリスクを抑えるためにも、それぞれの条件を正しく把握しておくことが大切です。
出典:国税庁「マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について」
居住者と外部利用者を区別せず、広く利用者を募集している場合は、駐車場全体が収益事業とみなされる可能性があります。この場合、外部利用者分だけでなく、区分所有者の使用分も含めて課税対象となります。
たとえば、恒常的に空き区画が発生し、解消の見通しが立たない状態で外部への募集を広く行い、料金や契約期間などの使用条件を居住者と外部利用者で同一にしているケースが該当します。
このような場合、一般的な有料駐車場と実態に大きな違いがないと判断され、収益事業として法人税の申告・納付が必要になる可能性があります。申告手続きは管理組合側で対応することが基本となるため、事前に税理士へ相談しておくと安心です。
外部への募集を行っていても、居住者の利用を優先する条件を明確に設けている場合は、外部利用者の使用分のみが課税対象となる可能性があります。居住者の使用分については、管理組合の本来の管理業務の一環として扱われ、収益事業に該当しないと判断されます。
たとえば、居住者から駐車場の使用希望があった際、外部利用者に対して一定期間内の明け渡しを求める条件を契約に盛り込んでいる場合が該当します。
多くのマンション管理組合にとって、実務上採用しやすいのがこのパターンです。居住者の優先権を明確にしたうえで空き区画を外部に貸し出せば、収益を確保しながら課税対象となる範囲を限定しやすくなります。
ただし、外部貸しによる収入のうち課税対象となる部分については、適切な申告が必要です。契約内容や実際の運用によって判断が変わるため、導入前に税理士へ確認しましょう。
外部への積極的な募集を行わず、申し出があった場合に限り、ごく短期間だけ貸し出す場合は、外部貸し分を含めて全体が課税対象にならないと判断される可能性があります。
たとえば、近隣で工事を行う業者から、工事期間中だけ駐車させてほしいと依頼があり、居住者の利用を妨げない範囲で一時的に使用を認めるケースが該当します。
このパターンでは、臨時的かつ短期的な対応であることが重要です。「短期間だから問題ない」と判断して長期間の外部貸しを継続すると、後から収益事業に該当すると判断されるおそれがあります。
外部貸しを行う際は、法人税だけでなく、固定資産税や消費税についても確認が必要です。
固定資産税については、マンションの敷地の一部を外部向けの月極駐車場として継続的に使用することで、住宅用地の特例の適用範囲に影響する可能性があります。実際の扱いは土地の利用状況や自治体の判断によって異なるため、事前に所在する自治体へ確認しておくことが重要です。
消費税については、管理組合の課税売上高が年間1,000万円を超えた場合、原則として翌々年から納税義務が生じます。一般的なマンションで駐車場収入だけがこの水準に達するケースは多くありませんが、大規模マンションや賃料が高いエリアでは注意が必要です。
大切なのは、税金が発生するからといって、外部貸しを一律に不利と判断しないことです。税負担や管理費用を差し引いたうえで、どの程度の収益が残るのかを事前に試算しましょう。複数の税目にまたがるため、具体的な判断は税理士へ相談することをおすすめします。
出典:総務省「固定資産税」
出典:国税庁「消費税のしくみ」
こちらの記事では、駐車場にかかる固定資産税について解説しています。
基本知識から計算方法、節税対策まで取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
外部貸しの仕組みや課題を理解したら、次は導入に向けた準備を進めましょう。収益性だけでなく、周辺の需要や運用負担も踏まえて検討することが、失敗を防ぐポイントです。
ここでは、導入前に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
外部貸しを始める前に、実際にどの程度の収益が残るのかを具体的に試算することが欠かせません。駐車料金による収入だけで判断せず、導入後に発生する費用も含めて確認しましょう。
試算では、法人税、固定資産税の変動分、消費税、税理士への依頼費用に加え、防犯カメラや看板の設置費用、管理委託費なども考慮します。これらの費用を差し引いたうえで、管理費や修繕積立金の不足分をどの程度補えるかを判断することが大切です。
収益が小さい場合は、管理委託費などの固定費が負担になることもあります。導入前に費用対効果を確認し、無理のない運用方法を選びましょう。
外部貸しで収益を得るには、周辺エリアに駐車場の需要があることが前提条件です。いくら空き区画があっても、借り手が集まらなければ十分な収益にはつながりません。
確認したいのは、近隣にある月極駐車場の相場賃料や稼働状況です。周辺の月極駐車場が満車に近い状態であれば、一定の需要が見込めます。一方で、周辺でも空き区画が目立つ場合は、募集を行っても契約者が見つかりにくい可能性があります。
あわせて、バイクや大型車両、シャッター付きガレージなど、一般的な区画では対応しにくいニーズがないかも確認しましょう。こうした需要に対応できれば競合が少なく、賃料設定で優位に立てる可能性があります。
通勤者が多いオフィスエリアや、病院、商業施設の周辺では、月極駐車場の需要が見込める場合もあります。立地の特性を踏まえて調査を進めることが重要です。
外部貸しを管理組合だけで運用しようとすると、利用者の募集、契約手続き、賃料回収、問い合わせ対応、トラブル対応などの負担が大きくなりがちです。こうした負担を抑えたい場合は、駐車場専門会社へサブリースや管理委託を相談する方法があります。
不動産工房では、月極駐車場のサブリースを中心に、コインパーキングやガレージなど、立地や区画の条件に応じた複数のプランを提案しています。
1台からの査定に対応しており、バイク、大型車両、シャッター付きガレージなど、幅広い車種やニーズに対応できる点も特徴です。
また、管理料を賃料に対する割合ではなく、各プランごとの定額で設定しています。そのため、賃料水準が高いエリアでは、手元に残る収益を確保しやすい仕組みです。月極駐車場とカーシェアリングサービスを組み合わせるなど、利用状況や地域のニーズに応じた柔軟な提案も行っています。
空き区画の活用方法に迷っている段階でも、まずは査定や相談から始めることができます。無料で相談を受け付けているため、収益性や運用方法を具体的に検討したい場合は、不動産工房へお問い合わせください。
マンション駐車場の外部貸しは、空き区画を有効活用し、管理費や修繕積立金の財源不足を補うための有力な方法です。一方で、導入にあたっては管理規約の見直し、税務上の判定、住民との合意形成といった課題にも対応する必要があります。
とくに税務上の扱いは、外部への募集方法や居住者を優先する条件の有無によって、課税対象となる範囲が変わります。国税庁が示す3つのパターンを踏まえ、管理組合の実情に合った運用方法を検討することが大切です。
不動産工房では、マンション駐車場の外部貸しや月極駐車場のサブリースについて、無料でご相談を受け付けています。バイクや大型車両への対応、カーシェアリングとの併用など、区画や周辺環境に合わせた活用方法をご提案します。
空き駐車場の活用にお悩みの管理組合の方は、不動産工房へご相談ください。
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